ルーズボールを獲得するための練習法とその後の展開の仕方は?

パスミスやシュ−トなどによって生まれたルーズボールからは、速攻に展開して得点しやすく、また逆に相手ボールになれば得点されやすいので、できるだけ素早い動作で味方ボールにすることが必要です。

ルーズボール獲得のための練習法には、指導者がボールを投げ入れるノック練習が、最も基本的な方法として一般に用いられています。しかし、ただがむしゃらに長時間のノックを続けるよりも、シャープな動きを要求される最近のハンドボールの練習法としては、時間をおいて「短く早く」スピードのある動きで練習する方法が効果的といえます。

(ルーズボール獲得の練習法)

①一対一。

一対一になり一人がノックするボールを他方が全力スピードで10回ひろう。終われば交代して同じように行う。それを一セットにして10回続ければ、連続して100回ひろうよりも相手に投げている間に疲労は回復していくので、スピードのある鋭い動きでルーズボールを追いかける習慣が形成できます。スピードを殺す練習方法は古く、あまり実戦で役に立たないことが多いといえます。どうしても必要とするならば、精神面の強化やスタミナをつける意味で一週間に一回ぐらいで十分です。②一対二。一人のノッカーが二人の間にボールを入れて、早くボールを獲得した方が攻め、他方が防御にまわる。③二村二、三村三、四対四など。 あらかじめ、サイドを決めておき、指導者かコーチがボールをノックして入れる。どちらかがボールを獲得すれば、すぐ攻防を展開して練習する。より実戦に近い練習法なので、速攻、遅攻などを用いながら行います。プレーヤーは、ボールがどの位置の時、自分はどうするか、ゾーンの位置とボールの流れ、誰れがボールを保持したかをよく瞬間的に判断して次の動作に移るようにします。 

図1のように攻・守をおき指導者は自由にフェイクをかけてボールを出します。Bチームの△2が保持したら、△1、△3のいずれかが走り、残った一人は△2の近くで待つ。△2は、取った瞬間にワンドリブルで角度をつけたり、アタックをかわすためにフェイクをかけたりして、いち早く相手から離れ、先に出た一人につなぐか近くにいる者とランニングパスで進むかします。不用意なパスをインターセプトされることのないように気をつけて行う必要があります。

逆にAチームが保持したなら、そのまま3対3の攻防戟を行います。4対4になると、試合内容に近づくので、より効果的です。

z1

いずれにしても、判断力を養う方法としては最適の練習方法です。特に攻防戦の中で攻撃練習と守備練習とに分けていないために、攻撃をしていても、何時でももどらなければならないという、相手の速攻に対するもどりの練習にもなるので、ルーズボールの獲得と同時に次の展開に備えられます。この種のトレーニングを繰り返すことによって、よりスピーディな攻・守が、行われるようになると思います。

         

(川上)

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