5.練習計画立案について

 近年のいろいろな球技スポーツにおいては、国 際交流が一般化しており、情報化時代に伴ってそ れぞれの戦略・戦術は刻々と変化しつつある。そ のため世界各国の監督・コーチは、トップとなるため様々な先取りをしてチーム構想(攻撃・防御 方法)を考え、そのもとでトレーニングを行っている。国内レベルでも、情報化社会のためにどこにいてもVTRなどによってチームの情報が集められるようになった。球技においては、敵を知りそれに対処することが勝敗につながる大きな要因となる。そこで、長期的あるいは短期的にもそれに対処できるトレーニングを考え、実施していかなければならない。
 1つのチームを指導していく際には、指導者それぞれのチームに対するいろいろな考え方があ り、それに基づいて計画・運営が行われ、日々のトレーニングとなるわけである。また、その日々のトレーニングを効率的かつ効果的にするために は、監督・コーチが自分の構想に基づいたしっかりしたトレーニング計画を立てることが必要となる。そして時には、選手にそのトレーニングの目 的を明らかにしてやることで意欲を持たせたりすることも大切なことである。したがって、指導者 のハンドボール構想に基づき,選手個々の能力(技 術面、精神面、経験)を十分理解したうえで、長 期的な展望にたっての目標を持ち、それを達成す るためのトレーニング計画を立てることは、最も大きな役割といっても過言ではない。特に、中学 校や高等学校など、そのレーニング時間や環境や経済面に制限のあるような状況では、不可欠なものと思われる。指導者として絶対にやめてもらいたいことは、自チームの実状を把握することな く、ただやみくもに大きな到達目標ばかり掲げ、 選手に多大な負担をかけてチームをつぶしてしま うことである。
 トレーニング計画には、大きく分けて長期計画 (2〜4年単位)、年間計画、月間計画、週間計画、その他としては合宿時の計画などが考えられる が、ここでは年間計画、月間計画、週間計画につ いて考えてみることにする。

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