指導者は,選手の生活のリズムを調整する役目を持っており,生活プログラムの起床,食事,トレーニング,休息,レクリエーション,趣味,入沿,睡眠などの基本的スケジュールは,なるべく一定させるべきである。
睡眠は,平均1日8時間と考えられているが,時間的長さだけではなく,深さも問題となる。ぐつすり眠ることのできる静かな場所,あるいは落ち着いた雰囲気や環境,さらに室温などの条件も大切となる。
余暇時間は有効に使い,休息やレクリエーションで適当にリラックスできる時間を設ける。適当にリラックスできないと選手はよい体調を維持できなくなるおそれがある。また,人間としての教養を高め,多くの社会常識を学ぶことは,将来有為な社会人となっていくためにも必要なことである。
真夏に合宿が計画されることが多い。ここでは,この夏合宿におけるチェックポイントをあげる。
練習中に十分な水分補給を行っていれば,練習後に水をガプ飲みして食欲がなくなり,夏パテになるというパターンにはなりにくい。練習後に飲むものとして,清涼飲料水には糖分がかなり含まれているので,食事のとき食欲があまりなくなるので注意がいる。
暑熱障害は,一般には日射病と熱射病の2つに分けられる。これらの症状を簡単に説明すると,
ということである。この場合に意識障害とは,意識の低下,喪失,異常な興奮,おかしなことを口走る,話しかけてもトンチンカンなことを言う,また,目つきや反応がおかしかったりするなどである。
こういう意識障害が見られたら,すぐに病院に連絡をとり,まずその選手を涼しいところで安静にさせることである。
体重測定を練習の前後に行い,次の2点をチェックする。
梅雨明けで急に暑くなった日など,身体がまだ暑さに順化していないので,熱中症が起きやすい日と言える。
順化は,暑さの中で徐々に運動することにより,1週間前後でかなり達成される。
けがなどで休んでいた選手なども同様であるが,同じ暑さやトレーニングでも,体力のない選手には限度を越えたものになる可能性がある。
左のようなチェックリストを作り,毎日の練習前にチェ ックし,問題のある選手は休ませるようにする。