③負傷部位を高く上げる。  

傷は,約6時間をすぎると化膿しやすくなるので,感染の可能性が高い場合は早めに医師の 処置を受けるほうがよい。また,古い釘や汚いもので刺したような時には,破傷風の危険もあるので必ず医師の診察を受けなければならない。

3 合宿・試合時のチェックポイント

1)食事の取り方 

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人は,子どもの時から経験してきた食歴を無視して,栄養があるといわれる食事を取ろうとしても無理が生じてしまう。食事はまずその人の食歴を基礎として,何をどのように食べるか,そして栄養について考えていくことが大切である。さらに長続きさせるためには,食事の楽しさや満足感が大切となるので,少なくとも1日1回は自分の好みにあった食事ができることが望ましい。1日のうちで1食抜くことは,栄養摂取の上でマイナス要素が大きいので,3度の食事はきちんと取ることである。特に朝食に注意を払う。朝食を取らないか,あるいは軽食にすることで昼食と夕食の負担が大きくなり,太りやすい食事となってしまうからである。 

トレーニング期の栄養の目標としては,

などがあげられる。そのために合宿時の食事条件は,トレーニングに見合うエネルギーと各栄養所要量が満たされること,糖質,脂肪,タンパク質の3栄養素の熱量構成比が適切であること,高エネルギー摂取量に対して1日の食事回数を4〜5回とし,激しいトレーニング時の疲労に伴う食欲の減退に対する配慮などがあげられる。3栄養素の構成比については,タンパク質については14〜16%,脂質については30〜35%,糖質については51〜54%とする比率がよい。 

タンパク質については,動物性タンパク質を多く取る必要がある。タンパク質を多く含んだ食品としては,牛乳,乳製品,卵,魚,肉,豆類をあげることができる。特に日本では牛乳の摂取量が少ない。カルシウムやビタミン類も多く含んでいるので,大いに飲むべきである。

2)生活管理 

合宿における生活の管理は,練習以外の生活の調整をすることであり,トレーニング効果向上のために非常に重要である。その内容として,食事を含んだ栄養管理,休息の取り方,余暇時間の活用などが考えられるべきである。

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