不足すれば貧血が起こってくる。女子選手にとっては特に重要となる。 

亜鉛は,タンパク代謝や細胞の増殖などに必要なミネラルである。これが不足すれば成長が遅れたり,発育不全となったり,皮膚病にかかりやすくなったりする。 

普通は,運動によりこれらのミネラル必要量が高まっても,吸収量が増加して欠乏症状は現れないものであるが,スナック菓子などミネラルの含まれ方が少ない食品ばかりを食べていると,欠乏症が現れてくる。 

ビタミンは,水溶性と脂溶性に分けられている。脂溶性ビタミンは,天然の食物をとっている限りは障害は発生しないと考えてよい。水溶性ビタミンは,体内貯留時間が短く汗による損失があるので欠乏症が問題となる。運動により必要量が高まるとされるビタミンには,Bl,B2,ナイアシンがある。これらはエネルギー代謝の多くの反応に関与しており,これらの欠乏でエネルギー代謝全体が阻害されることになり,ただちに運動能力に影響してくる。

≪水分の補給≫ 

水分摂取は,熱中症の予防などの安全対策,さらによりよいコンディションで運動するためにも重要である。運動能力との関係では,体重の3%の水分が失われると運動能力が低下すると言われている。また,体温調節能力も損なわれるという。高校生の実験では,4月の肌寒い日の練習で多くの選手が体重の2〜3%の水分を失っている。この実験から推測すれば,暑い日には体重の3%以上の水分は簡単に失われてしまっていると考えられる。また,水分は他の栄養素と違って体内に貯蔵がきかないため,随時補給しなければならない。 

以下に,水分を補給するための重要なポイントを掲げておく。

5)安全管理 

ハンドボールに限らず,スポーツ活動にはその特性から事故がつきものである。どんなに安全に配慮しても事故は起こり得るものである。ひとたび事故が起これば,その程度によって違いはあるが,年月をかけて築き上げてきた成果は崩壊してしまうことになる。

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