109頁
退場などによりディフェンスの人数が少ない時の攻撃は,あわてずに確実に得点したい。1試合平均7〜8分間もパワープレーがある。この攻撃での得点が,試合の勝敗を左右すると言っても過言ではない。
❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖
マイネルは,彼の著書「スポーツ運動学」のなかで,スポーツ運動には8つの本質的徵表があると述べている。この徴表を意識して運動の経過を観察・分析すれば,指導に際して重要な手がかりを得られるものと考える。
8つの本質的徴表は,以下に示した通りである。
スポーツ運動には,跳躍・投動作のような非循環運動と,走動作のように同じ動作が連続する循環運動がある。非循環運動は,準備局面・主要局面・終末局面の3つの分節に分けることができる。
例:投動作
準備局面・・・バックスイング 【ボールを身体の後方に引く】
主要局面・・・フォワードスイング 【ボールを前方に投げ出す】
終末局面・・・フォロースルー 【ボールリリース後の手の振り動作】
循環運動や2つの運動を組み合わせた場合の局面構造は,2つの局面が1つの局面に融合され中間局面となる。この運動の局面を理解することは,技能の向上を促すことになる。
ハンドボールの攻撃場面では,キャッチしたボールを素早くパスするように要求される場面が多