本来,スポーツとは遊び全体をさしている。その楽しさは,「遊びそれ自体にある」といわれてい る。やっても楽しいし,見ても楽しい,考えただけでも楽しいというようなものである。 楽しさの感じ方は人によって異なり,実に多種多用である。そのようなことの何が楽しいのかといわれたり,人の楽しさがわからなかったりすることは日常の生活の中でよく見たり聞いたりすることである。遊びはおとなにとっても子どもにとっても,自由で自発的な活動であり,しかも,結 果はやってみなければわからないというおもしろさがある。遊びやスポーツにおけるチャンスやスリルは,公平の原則に基づいた不確定な要素が保証されていなければならない。いつも勝っていたり,負けることがわかっているような遊びには楽しさは見つけにくい。さらに,日常生活と違う特別なルールをもっており,遊びとかスポーツは人にとって喜びと楽しみの源泉であるといえる。
一般的に,ハンドボールの楽しさは,敵と味方 に分かれて1点でも多く得点しようとしたり,シュートさせないように守ったりする攻防活動の中にあるといえる。特に,ゲームに勝つ喜び,シュートを決めた満足感,仲間に良いパスをした嬉しさ,自分のマークをフェイントでかわした爽快さ,といった競争的遊びがもたらす楽しさであるといえよう。 また、ゴールポストに当たったシュートが得点になるか,ノーゴールになるかとか,ルーズボー ルの取り合いでどちらのチームがボールを所有するか,という運とか偶然的な場面を楽しむ面もある。さらに,優秀な選手のフォームを真似してみたり,強いチームのフォーメーションを作戦として取り入れたり,スカイプレー,プロンジョンシュート,ゴールキーパーのセービングといった,ダイナミックでスリリングなプレーをする楽しさがある。