1.女子決勝トーナメント1回戦 フランス(FRA)対スペイン(ESP)から

現在まで約10年の国際女子競技力をみてみると、フランスはノルウェーについで高い成果を上げているチームである。(筆者のランク付けによる)
 リオ・オリンピックでは、決勝トーナメント1回戦スペイン戦は、前半7点差、後半4点差まで縮めるも16分では7点差になり、スペインに勝利が傾くかと思われたが、度重なるスペインの退場による好機を着実に得点しタイムアップ直前に同点に持ち込んだフランスが、延長で1点差の勝利をものにしている。準決勝のオランダ戦も1点差、決勝ではロシアに競り負けたが準優勝に輝いている。本稿では、フランスが6対5に用いた戦術を述べたい。

2.フランスのメンバー(先発)

FRA-Member

3.勝敗の要因となったもの

勝敗の要因はいくつもの要因が複雑に絡み合うために、簡単には述べることはできないが、この試合ではスペインが9個の退場(前半3個、後半6個の退場(失格も含む))があった。それも後半21分を過ぎてから3個の退場(失格を含む)があり、その好機をフランスが生かしたことが勝利の要因としてあげることが出来る。

4.フランス女子・6対5での戦術(きっかけとその展開 )

セットオフェンスで6対5の攻撃機会は前半、後半で9回あった。そのうち8回は同じ攻撃戦術を用いて攻撃を行い、8回の成功を収めた(7m獲得3回を含む) 。3人の退場がでた後半21分過ぎでは5回の6対5のセットオフェンスがあり、そのうち4回は同じ戦術を用いてすべて成功している(1回の7m獲得を含む)。
 本来右バックに位置する64番がセンターに移動し、浮いてくるポストとのクロスプレイを用いた「きっかけ」によって攻撃を開始している。今回のゲームでは6対5の場面でこの戦術を徹底して用いて成功したが、スペイン側からすれば、多くの退場を出したことや同じ戦術を用いてくる相手の攻撃を防げなかったことがスペインの敗因の一つに挙げられる。

フランスの6対5での戦術は、下記動画で示すように基本的な動きでシュートに至るケースが多いが、相手の予測を見越して、単発的にノーマークを作ったり、「きっかけ」を継続してサイドやポストにノーマークをつくるゲースも見られる。

全体として単純な動きであるが、プレイする一人一人の判断力や能力の高さが、シンプルな動きを有効なものにしている。

フランス(女子)のセットオフェンスの戦術

順次分析を続けます。

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