1,はじめに 

 ハンドボールの楽しみの一つは、ゲームで得点をすることである。その方法としてもっとも良く使われるがジャンプシュートである。全力で走り、空中に跳び上がり、そしてゴールキーパーと対決してボールをゴールに投げ込むジャンプシュートはダイナミックな魅力に満ちている。こどもであれば誰もが上手にやってみたい願望に溢れているはずである。

こどもの技術の習得は見様見まねである。上手に、かっこよく行われるシュートを見れば、その習得も早くなされるであろう。しかし指導現場では、どのようなシュートが目指すべきシュートなのか、そのイメージが描けていない可能性がある。小学生にとってハンドボール競技を知る機会はあまりにも少ないからであり、聞きも見もしていない小学生が多くいるのが実情である。

 また指導現場において上手に見本を見せられる先生や児童がいないことも考えられる。中には運動能力の発達した子どもがいて、容易にジャンプシュートを「かっこよく」やってのけることもあるだろう。そのシュート動作を見て「かっこよい」「上手である」と感覚的にわかっていても、具体的にそのかっこよさのポイントが理解されていないことも十分考えられる。「かっこよいシュート」とはどんなシュートなのか、今回はこのシュート動作について、いままでの研究成果も踏まえながら述べていきたい。

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