6 心拍・呼吸数測定装置

     

[東海大学体育学部で保有]

[キーワード] 心拍数、運動負荷、運動強度、

1)研究の狙い

心拍数が運動強度の指標となることから、簡易心拍測定器を装着して、各種練習やトレーニング、試合での運動強度を推察することにより、トレーニング課題を見出せます.
 ・自チームの練習強度は試合に相当する運動負荷を確保できているかを検証する.
 ・練習強度を高めるとき、新たな練習内容が従来より効果があるかを検証する.
 ・ベンチの監督は試合の状況に応じて心拍応答が変化するのかを明らかにする.

2)分析機器…

心拍数記録装置(1万円程度から)、パソコン(データ処理)

3)分析画面

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図17心拍測定器1

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図18 心拍測定器2

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図19 時間経過に伴う心拍変動図

ナショナルチーム選手のゲーム形式での攻擊場面では、100%/max.近くに心拍数が上昇する事も有り、平気でも80%/max.を示すことが分かった(図19).

4)操作手順

試合5分前に心拍計をセットし測定します.練習時の運動強度を測定する場合は、その間の練習内容と練習時間を記録します.コート全体をVTRカメラで撮影しておくと、動作や時間を簡単に把握できます.データ収集後はパソコンで解析することになります.簡単な作図は自動的に表示できます.

5)データ処理時間

 測定器を準備しておけば、装着は数分で完了できます.実験後のパソコンによるデータ読み取りには数分で行えます.

6)分析例

(1)平岡秀雄ほか(1982)ハンドボール競技における試合中の心拍応答と呼吸様相につ
いて: 東海大学紀要体育学部.12.83-87

目的:試合中の運動強度を明らかにし、トレーニング・練習時の運動強度を検討しようとした.

方法:試合場面を設定し、被験者数人に心拍測定器を装着させて、試合中の心拍数を測定した.測定データは心拍分析ソフトを介してパソコンで処理した.

結果:心拍応答から推察した試合中の運動強度は、75~80%HRmax.程度で、一般的な練習では速攻練習時の運動強度(別の研究結果)に相当する事が明らかとなった.

7)分析結果の現場利用


・人数の多い場合、三角パスのボールを増やすと充分な運動強度を確保できる.
・速攻練習を連続させないと、十分な運動強度を確保できないので、攻防を継続させる工夫をしている.

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