技術の伸び悩みは,この判断力と動作力のアンバランスによっていることが多い。アンバランスのタイプは,次の2つに分けることができる。

① 動作力はあるが,判断力がない場合

このタイプは,シュートをうたせるとすごいスピードボールを投げること ができるが,ゴールキーパーを外すことができなかったり,シュート練習で は,いくらでもゴールインさせることができるのにゲームでは得点すること ができない人のことである。  

こういうプレーヤーは,どういうときにシュートすべきか,ゴールインさ せるためにはどのようにすべきかなど,判断力的側面を強化していくことが 必要である。

② 判断力があるが,動作力がない場合

このタイプの人は多くいる。わかっているけれどできないプレーヤーであ る。やろうとすることはよいのだが,体力がないために成功しないとか,判 断に応じる動作のしかた(フォーム)が悪いためにうまくいかないプレーヤ ーである。  

こういうプレーヤーは,動作のパターンを増やしたり,フォームを矯正し たり,また,体力を強化することが必要である。

4.技術と体力について

技術は体力的基盤によって成り立っているものであり,いかなる動きも体 力の大小によって大きな影響を受ける。図2では,体力の項目は体力的側面 として,動作力の−部をなしているにすぎないが,この一部は技術全体を規 制する一部でもある。  

体力としては,スピード,パワー,持久力が特に必要とされるものである。 スピードとパワーは,技術そのものを最高のものに近づけていく基盤である。 持久力は技術の1つ1つを最高の状態で続けて遂行する基礎となる。技術を習得する過程にあって,より速く走り,より高く跳び,より遠くに投げることのできる体力と持久力を養うことは,技術を習得する上で必要不可欠のことである。

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