1.プレーの確率

1)攻撃回数とミス

勝敗は,シュートをゴールインさせた数によって決まる。シュートの機会 は,対戦する2チームともほぼ同じである。したがって,相手より多くのシ ユートをうち,より高いシュート成功率をおさめることが勝利に結びつく。

攻撃回数は,1ゲームで約50~60回くらいである。この攻撃回数のうちす べてシュートに結びつけることは至難の技である。攻撃回数のうちからシュ ートすることのできる機会を奪うものは,ミスである。このミスにも,ライ ンクロスやオーバーステップといったルール違反による初歩的なミスから, 相手の高度な防御力によってボールをインターセプトされるというようなも のまである。このボール保持をシュートする前に奪われるミスは,1試合の うち何回くらいあるであろうか。一流のチームによる試合においても5~6回のミスがある。全攻撃回数からみれば,10%に満たない。しかし,1点差 を競うゲームであれば,1回や2回のミスの差が勝敗に響くことは,よくあ ることである。大学トップクラスのゲームでも10%〜30%のミスが起こる。 40%以上のゲームも時としてみられる。そのようなゲームは,ミスプレーの 連続によって運ばれているといってもよいはずである。お互いのチームが同 じ程度ミスをしていれば,勝負はシュート率によって決まるが,一方のチー ムのミスする率が低ければ,勝敗は明らかなものとなる。攻撃におけるミス は,シュートする機会を1回失うだけでなく,相手により簡単な形でシュー トさせることになりかねない。ミスは,しばしば速攻に結びつけられてしま うからである。

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